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年が明けたと思ったら、もうすぐ3月。
春という季節性もあるのか、独立や起業を考えている人から「実際どうなの?」という相談を受けることも多くなってきました。
少しでも参考になればと思い、個人事業主として働くと身につく技術(強制的に身につけざるを得ない技術?)の内容とコツをまとめてみました。

1、「確定申告」の技術。
確定申告にあたって、いちばん面倒なのが経費の計上と帳簿の作成です。わたしはクラウド会計ソフトfreeeと、各種クレジットカード・ICカードを連動させ、ほぼ自動化しております。生活のなかで、何がどんな名目で経費に計上できるか、本能的にわかるようになります。世の中すべてが、経費にみえてきます。会計知識がある人はMFクラウド、知識がない人はfreeeがおすすめです。
(※会計ソフトfreee)

2、「節税」の技術。
経費はもちろん、個人型確定拠出年金(法人に所属しない個人は6万8千円まで拠出できる)、小規模企業共済など所得を減らすための節税を活用しています。ちなみに住民税は、nanaco経由カードで払うことで1.2%ポイントつきます。数人の税理士の話を聞きましたが、個人的には岩井久典さんのセミナーはためになりました。また、もし独立や起業を考えている方は、開業する前の開業費も経費になるのでレシートをためておくと得します。

3、「資産運用」の技術。
確定申告や節税でお金に関して調べると、資産運用の知識も自然と身につきます。わたしはインデックス分散投資はもちろん、高配当の安定株、論理的に上がる株(株価、世の中の風潮から論理的に上がる株)を買いつつ(VIX短期でも逆張りをしておき)PDCAを回しながら運用することで年利8%以上を達成中です。複数業界の株を買うことは、その業界の世の中からの期待値もわかるので勉強にもなります。参考:電通を辞める前に、読んでよかった本 BEST30
4、「契約」の技術。
NDAや著作物利用許諾契約書など、企業と個人が契約する書類はとても難しい。甲と乙どっちがどっち?という状態でしたが、いまは企業とお互いに対等な関係で契約を結ぶポイントがわかってきました。たったふたりの弱小デザイン事務所だからこそ、著作物が守られる契約を結ぶことは重要です。独立や起業をする前に、法人の契約書の雛形をもらっておくと便利だと思います。
5、「商標登録」の技術。
大企業と付き合うレベルの大手弁理士事務所だと、商標登録1件につき20万くらいの相場ですが、個人レベルで発注すれば、5〜6万円(1カテゴリー5年)で取得することが可能です。弁理士に頼まず個人でも取得できますが、1〜2万円の手数料を払うだけで、面倒な書類作成をしなくてよくなり審査の成功率もあがるので、弁理士に頼むのをおすすめします。どんなビジネスをするにしても、商標は大切なポイントになるので、最低限の知識を知れたのは良かったです。
6、「OEM」の技術。
夫婦でメーカーを起業しようとしており、さまざまなOEM先を調べルートを開拓しました。つくるものにもよりますが、いちばん利便性が高かったのは全国の「産業技術センター」でした。その県にあるテクノロジー企業を紹介してくれます(県によって対応がちがいますが)。大企業と組むより、地方の中小企業と組んだほうが、対等なパートナー関係になれるような気はします。またビッグサイトで行われている素材展などのイベントもおすすめです。
7、「見積もり」の技術。
見積もりの項目によって、源泉徴収ありなしが変わったり、請求できる金額は変わります。たとえばデザイン費では「源泉徴収あり」になりますが、アートディレクション費にすると「源泉徴収なし」になり、確定申告が少し楽になります。また見積もりのコピーライティングをすると、自分が提供した価値は何者で、その対価はどれくらいなのかということを毎回考えるので、それも自分自身の価値と向き合える良い時間にもなります。
8、「タイムマネジメント」の技術。
組織が管理してくれないので、自分自身で時間を管理する必要があります。わたしは睡眠時間は固定にしました。どんなに忙しくても12時過ぎには寝るようにし、体調と生産効率性を上げることを心がけていています。じぶんの「時間という資本」をどう配分するか、経営的な視点から自己を見られるのは良かったです。
9、「身体」の技術。
人にとって「時間と健康」がいちばんの資本です。健康を保つために、マインドフルネス、呼吸、睡眠、食など、人間としての基本OSの技術を学びました。健康を保つということはもちろん、マインドフルネスを習得できると、企画を考えるときに、頭ではなく身体でも考えられるようになるので、思考の幅が広がった気がします。(とても感覚的なものですが)
参考:広告業界の未来がみつかる!? 広告以外の本 Best7
10、「ウェブメディア」の技術。
「圏外コピーライター」を始め、夫婦でいくつかメディアブログを立ち上げて運用しています。小さな金額ですが、継続的にマネタイズできる仕組みの構築ができました。かつブログは、じぶんの営業マンになってくれるので、顧客開拓ツールとしても効率がよいと感じます。またGoogle Analyticsなどで分析することで、どういう記事の反応が良いか世の中の反応をみれるのもコピーライター/マーケターとしては勉強になることが多いです。
11、「営業」の技術。
仕事の入り口をつくること(広義の意味での営業活動)が、いちばんのコミュニケーションデザインであり、いちばんクリエーティブ力が求められる活動だと思っています。これは仮説ですが、じぶんの作品はもちろん、じぶんの人生をコンテンツに営業ができると、良い仕事と出会える確率が高まる感じがします。じぶんの人生に共感し、期待値をもって仕事を相談してくれる方とはうまくいくことが多いので。いつか「クリエーティブ営業論」として、実験した内容をまとめてみようと思います。
12、「フリーランス生態系」の技術。
大企業にいたら会わなかったような人と多く出会えました。ウェブデザイナー、プログラマー、ECコンサル、カメラマンなど、ひとり優秀な人をみつけると芋釣形式で良い人と出会えるのは面白いです。フリーランスはフリーランス同士で繋がっており、フリーランスならではの生態系があるんだなあと。市場における「単価とクオリティ」を把握できたのも勉強になりました。


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ざざざと、12の技術を書いてみました。
「こんな技術を身につけて意味ある?」と思われた方や、「うわあ〜大変そう」と感じた方もいるかもしれませんが、自分でやってみて良かったことは2つあります。

①「労力」と「コスト」を知ると、なにを外注すべきか正しい判断ができる
基礎知識がつくとということはもちろん、「労力」と「コスト」を鑑みて、何を自分で行うべきか、何を外注すべきかの判断ができるようになるのが最大のメリットだと考えています。大きな組織で働いていると分業になりがちで、一人ひとりの「労力、コスト、対価」を意識して働くことがあまりなく、その正しい判断はできにくいなと思っています。
②「じぶんを経営」することで、経営視点で世界をみるようになる
じぶんの資本(時間、お金等)を何に投資するかという、経営視点を強制的に身につけられたのは良かったです。じぶんという企業の中に「営業部」「法務部」「財務部」「マーケ/広報部」「総務部」「採用(キャスティング)部」「製造部」「デジタルメディア部」があって、じぶんの資本をどう投資していくか、日々意思決定をし行動している感じです。
※ぼくの場合、夫婦で分業していたので、ふつうより楽だったかもしれません

ひとつでも、皆さんの人生の参考になる情報がありましたら幸いです。ぼくは大企業にも馴染める性格?だと思っているのですが(他人からはどう思われているかは知りません)、人生のなかで一回は個人事業主として働いてみると、強制的に経営視点でじぶんを世の中をみることになるので、とても良い経験ではあるなとは思います。とはいえ、なかなか大変なことも多いので、全員にはおすすめはできないですが。

「大企業 広告代理店」「ベンチャー 事業主」「夫婦でデザインファーム(独立)」という3つの働き方を経験してみて、今年はある分野で起業をしてみようと思っています。(技術のハードルを超えるのがなかなか大変で、どうなることやらという感じなのですが汗)

もはやじぶんの主体や肩書きが何なのか、数年後のじぶんが何をしているかわからない、まさに「圏外」なコピーライター?ですが、夫婦で自然体に生きていられたらそれで十分かなと思っています。いろんな主体で挑戦や実験をしてみても、最後にいきつく先も(最初の起点も)いつもそこなので。それはとても簡単なことなように聞こえますが、じぶんの頭で考え、じぶんの人生をじぶんで舵を切らないと、簡単に奪われてしまうことでもあると感じます。じぶんの意識を変えるだけで簡単に手に入るものほど、簡単に奪われやすいんです。

未来のじぶんがどんな選択をするかわかりませんが、30代中盤になる前に、じぶんの感覚にウソをつかずに生きてみて「大企業」「ベンチャー」「独立」+(起業)という異なる4つの主体で人生経験をつめたら、とりあえず生きていくことはできるのかなあと思っています。
どんなに世の中が変わっても、どんなにじぶんの主体がかわっても、経済の中で生きていく上で変わらないベースの技術+自分ならではのプロフェッショナル技術を身につけておくことが、最大のリスクヘッジであり最大の挑戦なのかなあと。

今後も、ゆる〜く人生実験を、このブログでは発信していこうと思います。

圏外コピーライター 銭谷侑

Twitterでも配信はじめました。

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