バレンタインを“好き”について考える日にする「“好き”に変はない展」。
2015年にゼロから自主提案で立ち上げて、毎年開催してきました。
今年(2018年)は、主催の日本セクシュアルマイノリティ協会の事情で、バレンタインには開催しないことにしました。※バレンタイン以外の期間で、開催を検討中とのことです
バレンタインに何もしないのも勿体ないと思い、わたしがコピーライターとして書いてきた全作品(2015〜2017年)を公開します。
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「“好き”に変はない展」2015年度 コピー
場所:Place M (新宿)
期間:2015年2月9日〜15日
後援:Yahoo!パートナー
「“好き”に変はない展」2016年度 コピー
場所:横浜市民ギャラリー
期間:2016年2月10日〜14日
※「写真家 青山裕企 × コピーライター 銭谷侑」の作品は、以下のページから見ることができます。
http://sukiten.jp/index_ja.html
「“好き”に変はない展」2017年度 コピー
場所:Japan Creative Arts Gallery (茅場町)
期間:2017年2月14日〜19日
※「写真家 青山裕企 × コピーライター 銭谷侑」の作品は、以下のページから見ることができます。
http://sukiten.jp/index_ja.html
「“好き”に変はない展」の結果
【協会としての成果】
・クラウドファンディングで通算200万以上の資金調達
・Yahoo!パートナーの後援、複数社の協賛
・協会のメール会員が100名→2000名以上に
・作品を貸し出すレンタル事業を開始し、新たな資金源を生み出すことに成功 (調布市男女共同参画推進センター、大阪府堺市、代官山 蔦屋書店、二子玉川 蔦屋家電などに貸し出し)
ことばは、作品をつくる力になるだけではなく、そのコンテンツをもとに協賛を募ったり、その作品そのものを使いコンテンツビジネスを行うことでマネタイズの源泉にもなる。ことばに責任を持つコピーライターは、そこまで設計することがプロフェショナルである、と個人的には思っています。
社会に良いことをする団体や法人は、たいていお金に困っている。だからこそ広告クリエーティブが、広報やコミュニケーションの領域だけではなくマネタイズの仕組みまでつくることができれば、社会的なインパクトは大きいということを学びました。
【銭谷(個人)としての成果】
・ただの慈善活動ではなく、マネタイズも行い電通の仕事として成立させた
・広告賞の獲得
TCC新人賞(2015)、CCN賞(2015)、FCC賞(2015)、電通ベストソリューションアワード特別賞 (2015)、TCC賞ファイナリスト(2016)
・協賛企業との長期アクション
協賛企業も、ただ協賛するだけではなく、LGBT向けの新サービスを提供したり、LGBT人材の積極採用を宣言。クライアントの新しいアクションにつながり、銭谷(当時は電通)の新しい仕事にもつながった。
・毎年、来場者の方からいただく寄せ書き
コピーの賞はいくつか獲れると思っていたのですが、電通社内のソリューションアワード(社内MVPみたいなもの)もいただけたのは、電通のふところは大きいなと思ったできごとでした。「“好き”に変はない展」自体は、電通の規模に対して、とても小さな仕事でしたので。
ただこの仕事が名刺がわりになり、新しい仕事につながったり、ふつうの電通社員では出会えない人との人脈も広がったと思います。電通を辞めた今でも、その人脈は大きな財産になっています。
「“好き”に変はない展」から見えたコピーライターの可能性
自主提案から始まり、日本セクシュアルマイノリティ協会といっしょにつくってきた「“好き”に変はない展」。
このプロジェクトのなかで、「ことばのアイデア」が発揮した力を書き出してみました。
「ことばのアイデア」の力=
1、作品の表現をつくる力
2、プロジェクト自体をつくる力
→「好きに変はない」という言葉が、すべての出発点に
3、人&企業を巻き込む力
→「好きに変はない」というテーマに共感を得ることで、人や企業の協力につながった
4、流通させる力
→一つひとつの作品がWebで流通し、クラウドファンディングの成功にもつながった
5、マネタイズの力
→作品のレンタルビジネス展開など、協会の新しい収益源に
6、つぎの新しい仕事をつくる力
→「好きに変はない」が名刺がわりになり、銭谷や電通の新しい仕事につながった
世の中的には、ついつい「1」の「表現をつくる力」のところが注目されがちですが、じつはそれは、コピーライターができる能力の、ほんの一部分に過ぎないと考えています。
以前「コピーライティングシステム」の記事でも書きましたが、ことばのアイデアは、人間がつくるすべての創作物の根源になると考えています。
あなたの脳にも移植できる「コピーライティングシステム」公開!
今回のような展覧会プロジェクトはもちろん、あらゆる商品・サービス・事業の開発も。ことばのアイデアは、人類のあらゆる創作物の 「出発点」をつくる技術であること。そして、そのコンセプトをつくるために、人、金、企業を動かす技術でもあること。さらに、でき上がったプロダクトやサービスを、最終的に世の中で流通させる技術でもあること。
つまり、価値創造における「出発点〜出口」すべてのフェーズで、ことばのアイデアは大きな力になれるということ。
「新しいコスメ」の原材料は、ことばだ。
「“好き”に変はない展」は、規模としては小さな仕事でしたが、コピーライターとしてできることの大きな可能性を教えてくれました。
最後に告知
最後に、いくつか告知があります。
私が所属している福祉ベンチャー「LITALICO」で、個人的にいくつか新しい実験をしています。
「社会課題をビジネスの力に」というテーマで、企業向けに、ソーシャルキャンペーンや社会課題を解決する共同事業の提案を行なっています。
事業会社のかたはもちろん、電通をはじめ、広告業界関係者の中で「社会課題を解決しながら、ビジネスとしても成立させる」ことに興味のある企業や担当者がいたら、ブログの問い合わせや、Twitter、Facebookなどでメッセージをいただけると嬉しいです。
福祉業界は、アイデアにつながる様々な「課題」はあるのですが、それを実現できる資本がありません。企業の枠をこえて協力し合い、ビジネスとしても成立させていくことが大切だと考えています。
参考:だから、夫婦でクリエイター。 vol.01 銭谷侑(コピーライター)× 松永ひろの(アートディレクター)
たった二人で経営している、小さなデザイン事務所?(もはや自分たちが何者なのか、言い表すのが難しい)ですが、「人生を良くする」をテーマにいろんな挑戦をしています。「商品・事業開発」の領域に重点的にチャレンジしているのですが、昨年から仕込んでいたものが、今年はいくつか出せそうです。
広告業界的には「圏外なコピーライター」と「圏外なアートディレクター」ですが、今年もよろしくお願いします。
(じつは今年初のブログ更新でした)
久しぶりにブログを更新したら、こんなに長文になってしまいました。
最後まで読んでくださったかた、本当にありがとうございます
たくさん書きたいネタがあるので、もう少しマメに更新します(笑)
バレンタインが“好き”について考える日になりますように。
圏外コピーライター 銭谷侑