夫婦で経営している事業デザインファーム「the Tandem」。
設立して約1年間半ですが、ようやく事務所【タンデムファクトリー】を大田区山王に開設しました。
古いテラスハウスを借りて、B1・1Fを事務所に、2Fを自宅に、3Fをフリースペースの和室として使用します。
「生きる場所・つくる場所」をじぶんたちでDIYしてみて、いろいろな発見があったのので、まるごと公開します。
夫婦や家族関係をより良くしたい、より自分らしく生きたい・働きたいと思う人に読んでもらいたいです。
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1、完成した「タンデムファクトリー」
古いテラスハウスをDIYし事務所にした、「生きる」と「つくる」を融合させた空間です。
格好つけたデザインオフィスではないからこそできる、生活により添いながら「人生を良くする価値」づくりをしていきます。
●1F:「WELCOME ルーム」
●B1F:「MTGルーム+ガーデン」
●3F:「和室」
※Photo: Ayato Ozawa
2、DIYのプロセス
友人でありDIYプロフェッショナルの寺田さんに、企画&施工を協力してもらいました。第三者の視点から、私たちの暮らしたい姿・生きたい姿を引き出してくれたのは、とてもよい体験でした。
DIYは<Do It Yourself>の略ですが、第三者の方にも入ってもらうと、よりYourself(自分らしい)空間を、自分たちでつくり出せると感じます。
プロセス1:私たちの暮らしたい姿を引き出す
寺田さんにヒアリングをしてもらい、下記のような空間にすることに。
・B1・1Fは事務所に。とくに1F部分には、わたしたちの価値観(人生を良くするものづくり)が伝わる象徴的な場所に。
・2F・3Fは、プライベート空間に。生きるとつくるを融合させつつ、事務所とプライベート空間は切り替えられるように。
プロセス2:プランニングをする
↑1F部分。家のスケルトンのモニュメントは、「人生を良くする価値」をゼロから生み出すことの象徴。
↑1F部分。夫婦の作品を並べることができる棚。
↑B1F部分。事務所として機能的な空間に。
↑B1F部分。キッチン(生活感)を、オシャレに隠す演出(木の柵)に。
プロセス3:つくる
DIYのコツを教えてもらいながら、じぶんたちでできることは、じぶんたちで行いました。
みんなで荷物を運びます。
人生初の電動ヤスリをかけます(妻)
ペンキを塗ります(私)
難しいところはプロに任せます。
ペンキだけは、がむしゃらに塗ります(私)
みんなで装飾をつけていきます。
3、DIYして良かったこと
家族関係としての良いこと
DIYをする中で、夫婦で「どう住むか」を話し合えたのは、とても良い経験でした。
ある意味「どう住むか=どう生きるか」です。DIY過程を通して、じぶんたちはどう生きていきたいのか、お互いのことをより理解できたと感じます。
つまり、DIYは「住む場所」だけでなく「生き方そのもの」をじぶんたちでつくるプロセス。事務所を持つかどうかに関わらず、夫婦関係、家族関係をより良くするために、住む場所をDIYしてみるのは、じつは多くの人にとってよい体験(FAMILY EXPERIENCE)になると思います。
生きる(自宅)としての良いこと
じぶんたちもつくるプロセスに加わることが、家に対する愛着を高めることにつながると感じました。引っ越してくる前は、中央区の新築マンションに住んでいたのですが、新築に住むよりも、いまの方が家に愛着を感じています。
築30年以上の物件なので、古い箇所もたくさんあるのですが、そこさえも愛せるようになりました。東京都内のマンションの価格が上がっているなかで、古い物件を安く手に入れDIYするという選択は、わりと多くの人にとって有効な手段かなと思います。
つくる(事務所)としての良いこと
つくる(事務所)としてよいことは、大きく3つありました。
1、DIYした空間がそのまま「体験型ポートフォリオ」になる
空間として全身で「私たちは何者か」を伝えられるので、平面のポートフォリオよりも、より私たちを理解してもらえるツールになります。
私たちで言うと、1Fの「WELCOME」ルームでは、今までのじぶんたちがつくったプロダクトを並べています。また私たちのビジョンを象徴する「家のスケルトンのモニュメント」でお迎えします。(「人生を良くする価値」をゼロから生み出すことの象徴)
2、「ものづくりをする場所」をつくることが、ものづくりを加速させる
ものづくりをするための「場所」をつくることが、すべてのものづくりを加速させると感じます。佐藤雅彦さん的に言うと「つくるルールをつくる」というか。
私たちで言うと、生活により添いながら「人生発想」で、人生を良くするものづくりをすることが、ものづくりのエンジンです。だれよりも夫婦や人生を大切に生きているからこそできる、ものづくりがたくさんできる予感がします。
3、考える仕事ほど、考えない場所「ゼロプレイス」をつくる大切さ
考える仕事ほど「考えない場所」をつくることが大切だと感じます。
私たちで言うと、それは「畑」です。心や身体が疲弊したら、すぐに畑をいじります。何も考えず、夫婦で土を触り、ただただ無心になります。
私自身、the Tandemとして活動しながら、リクルートホールディングでも社員として働く兼業社員です。(なおかつ新しい部署で、いろいろなものを立ち上げ中)
仕事の量や幅的には、なかなかのハードワークなのですが、リモートワークができたり、この事務所で働けるということが、じぶんの生産性や創造性をあげています。時間に追われがちなビジネスマンほど、サードプレイスより、セカンドプレイスより、思考をゼロにできる「ゼロプレイス」が必要というか。DIYを通して、じぶんなりの「ゼロプレイス」をつくることが、ゼロから何かを生み出したい人には、大きな力になる気がします。
4、最後に告知
事務所「タンデムファクトリー」を利用した、ライフビジネスをいくつか立ち上げようと思っています。その一つが、企業向けに商品・サービスのリブランディングを「半日のワークショップ」を通して行うサービス。
「生きる」と「つくる」を融合させた事務所だからこそできる、人生発想の「リブランディング」を構築中です。「ことば」の技術、「デザイン」の技術、「人生発想」の3つが重なったとき、今までにないプロセスができあがる予感がしています。
参考:じぶん発のデザイン論
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圏外コピーライター 銭谷侑