結婚して、3回目の新年を迎えました。
今回は、いつか書こうと思っていた記事を書きます。
コピーライター視点からみた「相手にプロポーズさせるためのコピーライティング術」です。(今回は主に、女性が男性にプロポーズさせるためのコピーテクニックです)
じつは私自身、妻とは付き合って「3週間」でプロポーズをし結婚しました。
当時まさか結婚するとは思っていなかったのですが、気がついたら結婚していたのです。
いま思い返すと、その理由は「妻のことば」にありました。
今回の記事では、どうしたら男性はプロポーズしたくなるのか、そのノウハウをコピーライター視点から書こうと思います。
ちなみにコピーとは、人を「Aという状態から、Bという状態に動かすことばのアイデア」です。今回の場合は「状態A:プロポーズしたくない状態」→「状態B:プロポーズしたい状態」に人を動かすことばということですね。
あえて名前をつけるなら「プロポーズ・ハンティングワード」ということにしておきましょう。ではその内容を書いていきます。
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ヒントは、リンカーンにあり。
「プロポーズ・ハンティングワード」に関して、私が影響を受けたのは、テレビ朝日の番組「しくじり先生」で、オリラジ中田さんが出演されていた回です。
参考:オリラジ中田敦彦さんが「しくじり先生」でリンカーンを解説
この回のテーマは「リンカーンが歴代最高の大統領になれたのは、恐妻メアリーのおかげだ」という内容。その話のなかで、ふたりの馴れ初めの話がでてきます。
メアリーは、裕福な家庭で育ったお嬢様で、権力が大好きな勝ち気な性格。対してリンカーンは、貧しい農家で育った内向的な性格。
メアリーは、「私は将来アメリカ大統領になる男と結婚する!」と豪語し、当時は威厳もない若い議員だったリンカーンに目星をつけ、熱烈なアプローチをしたそうです。
(当時、メアリーは「ダグラス」という大統領候補と言われていた有望株の政治家と付き合っていたそうですが、わざわざ振ってリンカーンと付き合ったそう)
リンカーンとメアリーは付き合いだして約1年で婚約。しかしリンカーンは、結婚式直前に怖気付いて逃亡。2年間逃げ回った末、知り合いのパーティーでメアリーと偶然再会。どうなるかと思いきや… 再会してすぐに結婚式を挙げたそうです。かなり破天荒な馴れ初めエピソードですよね(笑)
オリラジ中田さんは、こう分析していました。
メアリーが「私は将来アメリカ大統領になる男と結婚する!」と声にしたときに、リンカーンはすでに心を掴まれていたと。リンカーンは、そのメアリーのことばが忘れられず結婚をしたし、そのことばがエール(自信)となって、本当に大統領にまで上りつめたと。
私はこの話を聞いたとき『一生忘れられない女(男)になるには、相手が一生忘れられない(忘れたくない)ことばを発すること』だと思いました。一生のトラウマになるくらいの、忘れられないことばを開発することが、相手にプロポーズさせる大きな理由になるのだと。
どうすれば、そんな「プロポーズ・ハンティングワード」を開発できるのか?
3つの法則にわけて紹介していきます。
法則1、相手が一生信じたくなる「ことば」を言い放て
まずは相手の夢や才能をみつけましょう。それを心から信じ「ことば」にしましょう。
「誰かの才能を信じることが最高のエール」になり、相手が一生、信じたくなることばになります。
例)リンカーンの妻「メアリー」の場合
「私は大統領になる男と結婚する」
例)オリラジ中田の妻「福田萌」の場合
「いい株をみつけた」
オリラジ中田さんは、番組のなかで「いま思い返すと、最初のセリフで心を掴まれていた」と語っています。このことばを言われたタイミングが、ちょうど相方がチャラ芸人として大成功し、中田さん自身がくすぶっている時期だったため、より心を掴まれたと語っています。
例)圏外コピーライター銭谷の妻の場合
「銭谷さん専属のアートディレクターになりたい」
これは私が広告会社でコピーライターをしていたときに言われた言葉です。
のちのち妻に聞いたら、私が聞き間違えをして、勝手に解釈していたようです。
本人は「銭谷さん専属のアートディレクターになったらええやんって、あるCD(クリエーティブ・ディレクター)に言われた」と言ったらしいのですが、私が勝手に解釈してしまっていたらしいんです(笑)
広告業界では、コピーライターとアートディレクターがタッグを組んで、ものづくりをしていきます。私は、このことばを言われてから(聞き間違えてから)、あらゆる仕事で「どのADをアサインする?」と考えるときに、いつも今の妻の顔が思い浮かぶんです。結果として、今は夫婦で独立し「銭谷専属のアートディレクター」になりかけています。
当時、まさか結婚するなんて思ってなかったし、まさか会社を辞めるなんても思っていませんでした。想像している以上に、ことばは、人の行動を変容させる恐ろしい力を秘めているなと痛感します。
法則2、相手が言われ慣れていることばの「逆」をつけ
相手に夢も才能もないかも・・・というときは、この「法則2」がオススメです。
ふだん言われ慣れていそうなことばの、逆をつくことで「この人は、自分の本質を見抜いている!」という強い印象を残します。
例)圏外コピーライター銭谷の妻の場合
「ふつうだね」
私は幼いころから、何かと「変わってるね」とか「変人だね」と言われることが多かった記憶があります。じぶん自身では、「おもしろくないことがコンプレックス」なのですが、たしかに友だちは少ないので、何かがズレているのかもしれません。
社会人になってから飲み会が増えたときは「ああ、このエピソードを言うと、人は『変だね』と面白がってくれるのか」ということがわかり、なるべく「変」というエピソードで、その場をしのぐようになりました。
今の妻と最初に飲んだとき、私が「変」エピソードを話していると、彼女が「ふつうだね」と言ってきたのです。逆に、私が地味なライフワークとしてやっていた「コピーライティングシステムづくり」の話をしたら、「おもしろい!」と目を輝かせてくれました。みんなが変ということを「ふつうだね」と言って、だれも面白がってくれないことに「面白がってくれる」ことは、当時かなりの衝撃でした。
あなたの脳にも移植できる「コピーライティングシステム」公開!
人は、何かしらレッテルを貼られ、言われ慣れていることばがあります。
その逆をつくと、「この人は、じぶんを見てくれている!」という強い印象を残すことができます。
法則3、そのことばが一番効く「タイミング」を狙え
「法則1」は、相手が弱っているときや、大きな夢を追っているときがよいでしょう。
リンカーンの場合は、かげだしの議員のころに。オリラジ中田さんの場合は、相方がチャラ芸人として大成功して、じぶんがくすぶっている時代に「いい株をみつけた」と言われたからこそ、深く刺さったと語っています。
「法則2」は、なるべく「鉄板」なシチュエーションを狙いましょう。「○○というシチュエーションで、○○と言われなれている」場面で、逆をついたことばを差し込んでみましょう。
まとめ
一生忘れられない女(男)になるには、相手が一生忘れられない(忘れたくない)ことばを発すること。そのことばを植え付けることが、相手にプロポーズさせる動機になる、というのが今回の記事のまとめです。
最後に付け加えるなら、本音で伝えることばがいちばん強いということです。
●「相手の可能性」を心から信じられるか。
(心から信じて発したことばは、相手の心に届く)
●みんなが知らない相手の一面を発見できるか。
(誰も気づかなかった一面を発見できたら、相手の心に届く)
「相手を想う力」×「ことばの力」の両方が合わさったとき、相手が一生忘れられないことばが生まれるのかもしれません。
圏外コピーライター 銭谷侑