ことばとデザインによる「人生を良くするメソドロジー」

「ことばの技術で、なにをするのか」

「デザインの技術で、なにをするのか」

コピーライターやアートディレクターのなかでも、人によってまったく「仕事観」がちがいます。とくにマス広告の時代から、課題解決の手段も多様化しているので、人の「仕事観」も多様化しているなあと。
とにかく新しい表現を模索したいという人もいれば、人を笑わせたいという人もいる。ビジネスデザインに興味がある人もいる。

広告代理店の営業や、事業主側からすると、どのクリエイティブスタッフに仕事を頼むかは、とても難しい環境になっているなと感じます。どの人にお願いするか、アサインの意思決定に、数日間かかるなんてざらにある話です。逆にクリエイティブ側からすると、じぶんに合う仕事と出会うためには、努力を要する時代に入っているなとも感じます。

 

わたしはフリーのコピーライター/プランナーであり、事業主のマーケターでもあります。その両方の視点から考えると、「事業主側からの、クリエイティブスタッフの選び方」「クリエーター側が、いい事業主と出会う方法」には、お互い幸せになれる正解があると思っています。




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事業主側からの、クリエイティブスタッフの選び方

クリエーティブディレクター・アートディレクター・コピーライターなど、「考える」ことが求められるクリエイティブスタッフに関しては、作品や作風よりも「仕事感」で選ぶのがよいと思います。(ただし映像ディレクター、フォトグラファー、イラストレーターなど、表現を制作するプロフェショナルに関しては、作風で選ぶのがよい)

それは、仮にまったく同じオリエン(相談)を受けても、クリエイティブスタッフの仕事観によって、アウトプットの「形態」が大きく変わるからです。課題を解決するために、広告をつくる人もいれば、広告以外の手段を提案する人もいる。そもそも課題からとらえなおして、新しい事業を提案する人もいる。その根幹は「仕事観」が影響しているなあと。

私は事業主としても働いてみて、クリエイティブとは、けしてアーティストではなく、クライアントのお金で「クライアントの経営を良くするものづくり」だとより強く思うようになりました。経営視点で考えると、表現の作風やクオリティも大事ですが「そもそもその仕事をどう捉えて、なんのために、どんな領域でものづくりをするのか」のほうが、ずっと経営へのインパクトは大きいのです。事業主側が、クリエイティブスタッフを「仕事観」でアサインすることで、クリエイティブの力をより経営にいかしていくことができると感じています。

クリエイティブスタッフから、事業主へのアピール方法

クリエイティブスタッフは、作品だけではなく「仕事観」も発信していくことが、効果的だと考えています。ポートフォリオも、ただ作品を綺麗に並べるだけではなく、「仕事観」(クリエイティブの技術を何のために使うのか)「方法論」(どんなクリエイティブの技術をもっているのか)も紹介するほうが、じぶんに合った仕事と出会える確率が増える。クリエーターにとっても、クライアントにとっても幸せな出会いにつながっていくと感じています。※ポートフォリオとは、クリエイティブ人材が、自らの作品を紹介する資料のこと

私自身も意外だったのですが、電通を退社したあと、仕事の依頼をいちばんいただくのは、このブログ「圏外コピーライター」経由でした。そして依頼の数だけではなく、内容もじぶんに合っていることが多いのです。私の人生観や仕事観を理解して仕事を頼んでくれるので、じぶんに合う仕事がやってきてくれる。その結果、広告の仕事よりも、商品開発、メディア開発など、より経営に近いところのものづくりをさせてもらっています。

デザインファーム「the Tandem」の仕事観

作品だけではなく「仕事観」も発信していくこと。
この仮説があっているのか、もっと実験してみたくなり、夫婦で経営しているデザインファーム「the Tandem」の、「仕事観」と「方法論(メソドロジー)」をひとつのブックにまとめてみました。

[su_button url=”http://kengai-copywriter.com/wp-content/uploads/2017/10/thetandem_methodology_2017.pdf” target=”blank” style=”ghost” background=”#c3c3c3″ color=”#000000″ size=”5″ radius=”0″ icon=”icon: download” icon_color=”#c3c3c3″ desc=”[pdf]”]the Tandemのメソッド公開中![/su_button]

※法人様向けに紙版のリーフレットも郵送しています。希望される方は、「お問い合わせ」フォームから、法人名・部署名・宛先・氏名をお送りください。

私たち夫婦の仕事観は、「人生を良くすること」です。
ことばとは、あらゆるモノ・サービス・企業の存在価値をつくっていく技術。デザインとは、その存在価値を、体現していく技術。
そのふたつの技術を融合させることで、世の中のあらゆるものの価値を、人の人生にとって、企業の経営にとって、より幸せな価値に進化させていく。それが、ぼくらの幸せです。

今回のブログでは、事業主と、クリエーターの幸せな出会い方に関して話してきました。両者の幸せな出会いが増えれば、社会的なインパクトも大きいと思っています。

よい出会いが増えることを祈って、今回のブログは締めくくりにします。