庭ブックス、はじめます

庭ブックス、はじめます

「庭ブックス」という出版社を、はじめることにしました。

千葉県外房の庭に建てた小屋を拠点に「土から生まれるようなことば」を育てていく、かぞく出版社です。

昨年末に公開したサイトはこちら

なんで庭で?かぞくで?出版社?

いざ言語化しようとすると難しくて(コピーライターなのに)、つくろうとしてこうなったというよりは、自然とこうなっていました。

もともと本が好きという理由もありますが、2021年に東京から千葉県外房に移住し、2022年に息子が生まれ、「ことばへの向き合い方」が変化していく中でのとても自然な流れでした。

そもそも僕がことばと向き合い始めた最初のきっかけは、コピーライターという職につき、ビジネスの中で企業や社会に貢献するためでした。気がつけば約13年間続けてきましたが、やりがいがありますし、お役に立てるかぎり今後も続けられたら幸せだと思います。

それと同時に、庭のそばで子育てする中で、人生後半は「土から生まれるようなことば」をより多く書いていきたいと、漠然と思うようになりました。

 経済から生まれることばよりも、自然から生まれることば

 人に消費させることばよりも、人を生産者にすることば

とても感覚的なのですが、そのようなことばに光を感じるようになっていったのです。

コピーライティングを超えて、今までとはちがう領域で、ちがう触れ方で、ことばと向き合ってみたい。ビジネスのことばと、土のことば。その狭間に身を置くことが、じぶんを創造的にさせ、じぶんから生み出されることばの強度も変わってくるのではないか? そう感じるようになったのが、庭で「出版」という場を持つことにつながりました。

また息子の誕生も、その変化のうねりに拍車をかけました。

息子が生まれてから育児エッセイを書き続けているのですが、いつからか「書くこと」が、生きることそのものに近い行為に変わっていったのです。

あっという間に過ぎ去る毎日ですが、育児の合間で自分の感情や発見をことばにして書き残していくことで、たくさんの宝物のような日常と出会えたし、自分自身への意外な気づきがありました。

書くことは、なんでもない日常をみつめ、深め、変化を楽しんでいく行為。生活をつくりあげていく、人生の軸のような存在になっています。書くことを生きることの中軸において、かぞくと生きられる時間を大切に歩んでいきたい。かぞくの暮らしのそばに、書く・つくるを楽しめる「遊び場」のようなものを持ちたい。それが、かぞくで「出版」という場を持つことにつながりました。

庭と育つ、かぞく出版社『庭ブックス』。

生きる延長線でカタチづくられてきたものなので、具体的なゴールのようなものはないです。

じわじわと本をつくり、泥くさく届けていけたらと思いますし、庭や小屋を使ったイベントやワークショップなども、いつかやってみたいと思っています。自分たちが心地よいペースで、つくりながら、変わりながら、ライフワークとして続けていけたら良いなと。日々変わり、育ち続ける庭のように。

ただ、ひとつだけ、決まっていることがあります!

庭ブックスの創刊書籍は、『圏外コピーライター』で連載してきた育休エッセイに加筆・編集したものを書籍化します。

『ことばの育休』(書籍紹介サイトはこちら

ことばが通用しない0歳の息子との、ことばにできない感情が次々と生まれる日々で、コピーライターに訪れた大きな変化が息づくエッセイ集です。ことばが無力な時間だからこそ出会いなおせる日常への発見と感動がつまっています。「家庭という庭」をテーマにした、庭ブックスの創刊書籍。

事前予約も始まったので、よろしければご覧いただけると幸いです。
Amazon)(庭ブックスWebストア【庭から直送!】)(書店さんはこちら

書籍『ことばの育休』については、別途ブログを書く予定です。
この先も、庭ブックスのどこに向かうかわからない活動を『圏外コピーライター』では不定期で発信していきますので、どうぞよろしくお願いします。

©︎kengai-copywriter 銭谷 侑 / Yu Zeniya