「新しいコスメ」の原材料は、ことばだ。

 

 

1年半前から、夫婦でCD & 戦略コンサルタントとして担当させてもらっている「セブン-イレブンの新しいコスメ」が発売された。

ぼくらは、ブランド&製品開発&デザインの戦略立案、コミュニケーションプランニングをディレクションさせてもらいました。(※最終のデザインは、クライアントのインハウスデザイナー)

それが「お直しコスメ ParaDo」です。

名前の通り、お化粧直しがしやすいように外でも持ち歩きやすいように設計された新しいコスメ。

いつも使っているコスメは自宅におき、外出先では「お直しコスメ」を持ち歩くという新しいコスメ文化をつくるための商品です。(重たい化粧ポーチからの解放)

ちなみにリニューアルする前のParaDoは、以下のようなデザインでした。(まったくデザインがちがいます)


リニューアルする前までは、とくに「お直しコスメ」などの価値は提案しておらず、女性が化粧ポーチを忘れたときに「緊急買い」として買われる存在でした。

ちょうど1年半前に「デザインをリニューアルしたい」ということで声をかけてもらったのですが、ぼくらは、ブランドそのものの存在意義を変えることに。

「お直しコスメ」という新しいコスメ文化をつくることで、緊急買いだけではなく、新しい顧客、新しい市場をつくろうと考えました。

たとえ製品の中身がほぼ変わらなくても、ことばのアイデアでブランドの存在意義が変え、それに合わせたデザインにするだけでまったく新しいブランドへと生まれ変わります。そして存在意義を変えるだけで、重たい化粧ポーチを持ち歩いている女性を救えたりもするのです。

今後は、@cosmeのカテゴリーで「お直しコスメ」というジャンルが生まれるくらい育っていくといいなあと思っています。

コピーライターというと、広告表現だけを考える人と思われがちですが、(じっさいにそういう人も少なくないですが)

ことばのアイデアは、広告表現をつくるためだけにあるのではありません。

以前のブログでも書きましたが、ことばのアイデアは、人間のすべての創作物の始まりなのです。
あなたの脳にも移植できる「コピーライティングシステム」公開! 【参考】「コピーライティングシステム」

あたらしい商品、あたらしいサービス、あたらしい事業も、すべて「ことばのアイデア」から始まっています。

そして、ことばは、その商品やサービスを世の中に届ける大きな力にもなります。

つまり、コピーライティングとは、製造業であり、流通業でもある。のです。

ちなみに、ことばのアイデアを広告以外に活用するためのノウハウがまとめられてる本は殆どないのですが、以下は、唯一のいい本だと思います。

「未来は言葉でつくられる 突破する1行の戦略」

【参考】コピーライティングを学ぶための本 BEST15

いま広告業界を離れ事業主側に主体を移しましたが、まいにちが発見の連続です。

優れた経営陣たち、そして金融、エンジニア、ベンチャー、NPOなど広告とは全く異なるバックグラウンドを持つ同僚と働いていると、今までにない化学変化がたくさん生まれそうな予感。

ことばに専門性を持つとういことが、事業のなかでどれだけ大きなパワーを持つのか、ひとつひとつ証明していこうと思っています。

それがコピーライターの地位向上であり、広告業界への新しい期待値の創造であり、電通への恩返しにもつながる。と信じているから。

「社長に横に、アートディレクターを。 (ADC2010)」という有名なコピーがあり、わたしも、経営者の横にアートディレクターがいると大きなメリットがあると思っていますが、「社長の横に、コピーライターを。」も同じくらいメリットがある、とも考えています。

ことばのに専門性を持つ人間が、広告業界の外(圏外)で活動をするとどうなるのか、可能な範囲でこのブログでも公開していきます。

圏外コピーライター 銭谷侑